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【納税が必要?】NFTアーティストの確定申告方法!申告漏れを防ぐための心得!仮想通貨取引時の為替差損益や気になる控除額は?【税金のお話】

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確定申告期間ということで、今回はNFTに関する税金の話をしましょう!


令和3年は、「NFT」が爆発的に有名になり、子供やAV女優による作品が高値で取引されたりと、NFTが私たちの暮らしの身近な存在になり、誰もがアーティストとして活躍できる時代の幕開けとなりました。

チャンスに恵まれた方はきっと数十万、数百万円の臨時収入を得たことでしょう!

 

さて、そんな方々は要注意。NFTの作成や、それに伴う仮想通貨の購入、売却で発生した利益については税金を払う義務が発生する場合が。他の金融所得等と同様に所得申告が必要になり、こちらを怠ると脱税とみなされ、膨大な追徴課税をされてしまうことがあります。

 

また、NFTでほとんど利益を出していない、という方も他人事だと考えてはいけません。外貨取引等とは異なる、NFTならではの重要点を見落とすべからず。ほとんど儲けていないつもりが実は納税義務を生じていた、というケースも大いにあります!

 

本記事ではそんなNFTアーティストの方々に向けて、ご自身が納税義務があるかどうかを判断する上で、また確定申告をする上で必要な検討項目について、簡単に説明していきます!

 

ちなみに、税申告の手間を省きたい、もしくは計算を楽にしたい方は、外注サービスを利用して収支を単純化することをお勧めします。

www.nftartists.biz

目次:

 

事業所得と雑所得

まず納税義務の有無について検討するにあたり、まずご自身のNFT創作・出品活動が「事業所得」と「雑所得」のどちらに該当するかを考える必要があります。

事業所得は、事業として営んだ結果、得られた所得で、「継続した期間で安定した収入が得られる」、「儲かる可能性がある」、「相当な時間を費やしている」、「職業として認知されている」といったことが判断材料となります。

それに対し雑所得は、給与所得や事業所得、不動産所得など9種類の所得に該当しないものをいいます。身近な例を挙げると、ポイントサイトで得たポイントや、趣味として運営しているブログで得たアフィリ収入などはこちらに該当します。

 

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では、NFT創作活動の場合はどうか。おそらく大半は「雑所得」に該当

するでしょう。他に本業があり、あくまで趣味の創作活動の延長線上としてNFT出品をしたところチャンスがあり臨時収入が入った、というケースが多いでしょう。

仮にアーティストとして専業活動を行っていた場合には、「継続した期間で安定した収入が得られる」、「儲かる可能性がある」、「相当な時間を費やしている」、「職業として認知されている」といった判断条件を満たしていれば「事業所得」、満たしていなければ「雑所得」と考えるべきでしょう。

また、NFT出品代行サービスなどを運用する事業者の場合も、同様の判断により「事業所得」と「雑所得」いずれに該当するか判別することができます。

 

事業所得として申請したほうがお得!

ちなみに、「雑所得」として申請するより、「事業所得」として申請した方が税額がお得になるのはご存知でしょうか?

「事業所得」として申告する場合、「損益通算」や「青色申告特別控除」といった節税メリットを受けることができます。

 

NFT創作活動が赤字だった場合、NFT創作活動で稼いだ所得が事業所得と認められていれば給与所得など異なる区分の所得の金額から損失金額を控除できます。これを「損益通算」といいます。雑所得の場合は赤字が出ていても所得金額がゼロとして扱われ、損益通算できません。またNFT創作活動で稼いだ所得が事業所得として認められ、青色申告の承認を受けていれば、最大65万円の「青色申告特別控除」を受けることができるなど、メリットは非常に大きいです。
ただし、先述の通りご自身の活動が「継続した期間で安定した収入が得られる」、「儲かる可能性がある」、「相当な時間を費やしている」、「職業として認知されている」といった条件を満たしていない状態で「事業所得」として申告をした場合、「申告漏れ」として税務調査を受けたり、追徴課税を受ける可能性があるので、税控除目的でむやみに事業所得申告をしないようにしましょう。
 

雑所得として申告額を計算してみる

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それでは、雑所得として申告額を計算するための検討事項を紹介します。給与所得を受けている方の場合、雑所得が20万円を超えると納税義務が発生してしまいます。下記計算方法に則って、ご自身の雑所得が20万円を超えていないか計算してみてください。

NFT作品の売上と経費

ここからはNFT作品が売れた際の売上や利益に注目して考えましょう。

さて、作品が100万円で売れたとしましょう。この場合100万円全額が課税対象となるのでしょうか?

いえ、課税対象となるのは売上ではなく「利益」となります。100万円で売れたとしても、手数料やら何やらで手元に残るのはもっと少ないですよね。その残りが課税対象、申告対象となります。

 

利益の計算方法ですが、次のようになります。

[利益]=[売上]-[経費]

 

そして、この経費をもっと細分化すると、下記のような項目が含まれます。

マーケットプレイス手数料

・出品時に発生したMinting/Listing Gas Fee

・オークション終了時のAuction Settlement Gas Fee

仮想通貨取引所ウォレットとMetaMaskウォレット間の仮想通貨送付時/受取時に発生したGas Fee

 

さらに、他の副業と同様NFT制作のために必要となった(新たに購入した)PCや周辺機材、カメラ、ソフトウェア、なども経費として計算できます。

 

これを踏まえて、実際に得た利益は何円になるのか、計算してみてください。

他にどんな出費が経費として認められるのか、詳しく知りたい方はこちらの記事をご一読ください。意外な節税につながるかもしれません・・・!

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為替差損益

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先ほどの例では売上や利益を「円」で考えました。ですが実際にはNFTを「イーサ(ETH)」で販売しますよね。その場合、本来であればETHベースで計算をし、日本円との為替差損益を利益計算に反映させる必要があります。

これは、仮想通貨に限らず外国通貨の米ドル建て等で取引を行った際も同様です。米ドル建てで受け取った代金を、数日置いて日本円に両替した場合、為替変動に伴い損益を生じます。

この損益についても「雑所得」として申告内容に含む必要があります。

 

[現金-仮想通貨]の場合の為替差損益

例えばある時点で5ETHの作品が売れ、手数料等を差し引き4ETHが手元に入ってきたとしましょう。この時点で1ETH = 300,000JPYだったとすると、手元に入ってきた金額は日本円換算で120万円となります。

ところが数日時を経てこの4ETHを日本円へ両替するまでの間イーサリアムが高騰し、1ETH = 400,000JPYとなっていた場合、最終的に両替時に手元に入ってくる金額は160万円となり、当初見込んでいた金額より40万円多くなります。これが為替差損益です。

 

為替差利益を掴むため仮想通貨取引を積極的に行っている投資家だけでなく、あくまで決済手段としてETHを使用しただけのNFTアーティストにおいても、仮想通貨高騰により得た利益は必ず雑所得として申告する必要があります。

 

また仮想通貨は外国為替と比較して変動が激しく、数分単位でも大きく相場が変動するため、NFT販売から日本円への両替を可能な限りスピーディーに済ませたとしても、厳密には為替差損益の計算は避けられないものとなります。多数のNFTを出品されている方は、申告漏れが無いようしっかり各取引分確認するようにしましょう。

 

[仮想通貨-仮想通貨]の場合の為替差損益

この為替差損益は、ETHと日本円をやり取りした時だけでなく、仮想通貨同士の取引、すなわちビットコインでイーサを購入した場合、などにも税務上は発生するものとされいます。

参考:国税庁 保有する外国通貨を他の外国通貨に交換した場合の為替差損益の取り扱い

 

手持ちのイーサがなくなったからビットコインでイーサを購入してGas Feeを賄った、などの場合もこれに該当します。実際に日本円に交換したわけではなく一見すると特に利益を得ていないように見えるものの、法規制上は申告義務を生じますので注意をしましょう。

為替差損益など、仮想通貨関連の帳簿付けを行う際は「CSV出力」をすることで作業を簡略化できます。こちらの記事を参考にしてみてください。

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他の雑所得についても注意

雑所得として申告額を計算する場合に検討すべき点は上記の通りです。ただもう一点、NFTでの収入を雑所得として扱うにあたり忘れてはならないことがあります。それは、雑所得には一年間で生じたNFT以外の収入も含まれる可能性があるということです。

たとえば、アフィリエイト広告収入など、他の副業収入はもちろんの事、ポイントサイトでを利用して得たポイントを換金した場合や、GO TO等の地域キャンペーンで金銭的功利を受けた場合なども、その現金相当額を雑所得として計算に組み込む必要があります。

 

これらすべてを組み込んで、ギリギリ20万円をオーバーしてしまった場合は、同年度内に何か必要なソフトを購入する等して所得額調整を行うことをお勧めします!

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事業所得として申告額を計算してみる

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事業所得として所得計算をする場合も検討事項は基本的に同じです。

ただ、青色申告により最大65万円の「青色申告特別控除」を受けたい場合は、複式簿記により帳簿をつける必要があります。

複式簿記とは、1つの取引について2つの要素に分解して取引の記録を行う方法です。

例えば、現金で通信費を支払ったという取引であれば、通信費が発生した(費用の計上)という要素と現金が減少した(資産の減少)という要素に分解して、それぞれの総勘定元帳に記録していきますこうして、期末までの総勘定元帳をもとにして、試算表や貸借対照表損益計算書などの決算書を作成する形式を複式簿記と呼びます。

 

大変骨の折れる作業ではありますが、最大65万円の「青色申告特別控除」のためにも、そして事業成長管理のためにも必要な作業となりますので、めげずに頑張ってください!

 

いかがでしたでしょうか?

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駆け足ながら、NFTアーティストの方々に向けて、ご自身が納税義務があるかどうかを判断する上で、また確定申告をする上で、必要な検討項目について説明させていただきました。

売上額や取引額、また他の所得との絡みなど状況はアーティストごとに様々かと思いますので、最終的な判断は税理士や税務局への相談のもと行っていただくことをお勧めします。

 

また、雑多な収支計算の手間を省きたい場合は、NFT出品代行サービスを利用して丸投げしてしまうのも手です。外注サービスの利用レポートについては過去記事で紹介しておりますので、ぜひ合わせてご覧ください! 

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