いよいよ確定申告提出期間が迫ってまいりました!確定申告においては、正しく帳簿をつけることだけではなく、必要に応じて経費を算出して可能な範囲で(そして認められる範囲で)節税を図ることが大切です。
今回は、FP(フィナンシャルプランナー)の協力を仰ぎ、確定申告提出前の見直しとして、NFTクリエイターが経費として計上できるものをまとめました。
一覧で確認して、漏れがないかチェックしましょう!
確定申告の大まかな計算方法については、まずはこちらの記事をご一読ください!
経費にできるもの
仕事道具
まず、仕事道具は基本的に経費として認められます。仕事道具には、次のようなものが挙げられます。
- PC(※10万円以内)
- タブレット
- ペンや紙、絵の具などの画材や文房具
- 仕事用のデスク、デスクライトやPCチェア等のデスク周り
- キーボードやマウス、HDMIケーブルなどの消耗品
- スピーカー、ヘッドホンやイヤホン
- 外付けHDD、USB等の記憶媒体
- カメラ
- 楽器
- VRゴーグル
注意点としては、10万円以上の金額のものは、「減価償却」で計上しなければいけないということ。また、これは全てに共通する大前提ですが、一昨年以前に購入したものを昨年分の経費として計算することはできません。
その他ここに書かれていないものでも、仕事用に購入した機材や道具であれば経費として認められます。
ソフトウェア
PCを買ってもソフトウェアが無いとクリエイティブ活動はできないですよね。物理的な道具だけでなく、もちろんソフトウェア関連も経費になります。
- Adobe等のクリエイティブソフトウェア年間/月間サブスクリプション料、ライセンス購入費
- Excel等、作品制作に直接かかわらないものの、帳簿をつけるためなど間接的に業務内容にかかわるソフトウェアの購入費
- 素材ダウンロードサイト(VectorStock、Loopomaster等)会員料、ダウンロード購入費
- Google Driveの拡張等、業務に必要なオンラインストレージ契約料
- セキュリティ対策ソフトウェア
その他、仕事用に購入したソフトウェアや、支払ったライセンス料等は経費として認められます。
参考資料
制作にあたり、参考書や解説書、または尊敬するクリエイターが執筆した本など、インプットを得て更なる創作へつなげるためには必要ですね。本だけでなく、美術展やライブへの参加なども経費として扱えます。
- ソフトウェア解説書
- クリエイティブ参考書、仮想通貨関連参考書など
- noteなどの有料記事
- Spotify等の音楽サブスクリプションサービス料(音を扱うクリエイターの場合)
- Netflix等の映画サブスクリプションサービス料(映像を扱うクリエイターの場合)
- 映画館や美術展、ライブなどの入場料
その他にも、例えばファッションをテーマにしたクリエイターであれば服飾品、また食のレシピをNFT化するクリエイターであればリサーチ目的での飲食店食事代金など、業務内容と関連がある参考資料であれば経費として認められる可能性が高いです。
販促、広告、関連イベント
アーティストによっては、展示会などのオフラインイベントに参加したり、もしくはインターネット広告を使用して知名度・ブランド力向上を図ることもありますね。これらに掛かった費用も、経費に計上できます。
旅費・交通費
各種イベントに参加するためには大抵の場合電車賃や駐車場代、ガソリン代などの交通費が発生します。これらも経費にしてOKです。
- 自分が参加/主催している展示会までの往復交通費
- 参考資料にあたる会場(映画館など)までの往復交通費
- 打合せ場所までの往復交通費
- ロケハン時などに要した交通費
- PC等の仕事道具を購入した場合の店舗までの往復交通費
- これらの移動・出張の際に要した宿泊費
インターネット関連
NFTアーティストは日々、連絡などのやり取りだけでなく、データダウンロードやアップロードのためにインターネットを利用していますね。これらの通信料はもちろん、自分の作品や活動のPRのウェブサイトの開設・運営に掛かる費用なども、経費にして問題ありません。
接待交際費
経費で落とせるものとして、飲食代も大切です!プロジェクト仲間やクライアントなどの会食で発生した飲食費は経費として認められる場合が多いです。ただ、あまりにも高頻度であったり、高額であったり、業務との関連性が全く見えない場合などは、経費として認められないケースもあるので、ご注意を。
- プロジェクトメンバーやコラボレーターとの会食・接待
- 業務上必要なリサーチに関連した食事代金
- 待ち合わせの、または仕事場として利用した際のカフェ利用
仮想通貨関連
そして忘れてはならないのが、仮想通貨を扱う上で発生したNFTアーティストならではの経費。作品出品のためのガス代支払いや、日本円とイーサリアムを交換する上で掛かる取引手数料等も、忘れず経費として計上するようにしましょう。
- 仮想通貨取引サービスや銀行が徴収する日本円出入金手数料
- 取引手数料
- スプレッド
- 仮想通貨送付手数料
- 出品や承認などに掛かったガス代
- サービス口座開設の際の返信用封筒用切手
ちなみに、例えばガス代のために仮想通貨取引サービス上で「4万円で1 ETHを購入した」からと言って、4万円を経費に計上してはいけません。この取引はあくまで資金移動のようなものとしての位置づけになります(例えば4万円のうち2,000円をスプレッドとして払っていた場合は、その2,000円分は経費として計上可能です。)
その他
あとは、NFTアーティストにはあまり関係ないかもしれませんが、次のような出費も経費として計上できます。
- 慶弔金
- 商品発送費
- 損害保険費
- 外注工賃
部分的に経費にできるもの
家事関連費
また、家賃や電気代なども経費に計上できるケースがあります。具体的には、青色申告事業者により事業所得として申告を行う場合です。もしくは、その支出する金額のうち業務を行う上で必要な部分が50%を超える場合(またはレンタルオフィスなどにより、完全に職住が分離されている場合)には、白色申告事業者、もしくは雑所得として申告するアーティストも、この家事関連費を経費として計上できます。
この時、経費として計上する金額は「家事按分」という方式で計算し、実際に業務に使用した時間もしくは面積割合分の金額のみとなります。例えば、10万円の家賃を毎月納めていたとして、そのうち、20%の面積のみを仕事用に使用していた場合は、10万 x 20% x 12か月、で年間24万円分が経費になります。
ちなみに電気代に関しては、総コンセント数のうち業務に使用している割合を計算したり、全電化製品の合計W(ワット)数のうち、業務用機器のW数の割合を計算して求めることも可能です。
この方式で経費計上ができる出費は、下記などになります。
- 家賃
- 電気代
- 携帯代
水道料金やガス料金も本来家事関連費として計上できる料金ではありますが、NFT制作に水道・ガスを関連付けるのは少々無理があるでしょう。
経費にできないもの
ちなみに、下記のような出費は経費にできないのでご注意ください。
- 業務外での会食などで発生した飲食代
- 医療費(医療を元にした作品を制作している場合も認められません)
- 仮想通貨取引で発生した損失 → 「為替差損益」として計算します
※為替差損益については、別記事で詳しく説明しております。漏れがないよう、申告前にご一読ください。
いかがでしたでしょうか?
今回は、確定申告を行う上で見落としがちな経費の話をしました。皆様の節税効果に幾分か寄与できていれば幸いでございます。
今回リストアップした出費内容以外にも、まだまだたくさん紹介できなかった経費対象があります。「この出費は経費にできるのか?」「この出費は経費に計上しない方がいいのか?」など経費に関わる疑問がありましたら、是非コメント欄でお聞かせください!