「NFTをせっかく売り始めたものの、なかなか買い手がつかない。才能が無いのだろうか・・・。」このような挫折を感じているアーティストも決して少なくないのではないでしょうか。
もしかすると、それは作品そのもの魅力ではなく、宣伝方法やアピールの仕方に問題があるからかもしれません。
本記事では意外と見逃しがちな、だけど大切な、正しいNFTアートの宣伝方法をいくつか伝授したいと思います!
大前提:マーケットプレイスに出品しただけでは買い手はつかない
まず、NFTを売っていくにあたり大前提として持つべき共通認識があるので、再確認させてください。それは「マーケットプレイスに出品しただけでは買い手はつかない」ということです。
「マーケットプレイスに出品して半年ほど経ったけど買い手がつかなかった」なんて声をたまに聞きますが、その間何も行動をしていないのであれば、それは当然の結果です。
NFT界隈では、落書きスケッチが高値で売れた!等のポジティブなニュースばかりが取り上げられがちですが、実際にはそんなに簡単には売れません。マーケットプレイス上には、毎日数万点ものNFTが出品されており、その中からたまたま興味があるコレクターに自分の作品を見つけてもらえる可能性は天文学的に低いです。
中には何も努力をせずそんなラッキーチャンスをつかみ取った作品もあるかもしれませんが、ほとんどの出品者は、なるべくその確率を高めるために、SNS等を駆使して作品の宣伝を行うことで初めて、買い手がつく現実的な可能性が見えてきます。
効果があまり期待できない宣伝方法
次に、何らかの宣伝を日々行っているけど一向に買い手がつかない、という声もよく見かけます。この場合、もしかするとあまり意味が無い宣伝を繰り返しているだけかもしれません。代表的な間違った宣伝方法をいくつか見ていきましょう。
NG例1. ただ自分の作品をツイートするだけ
ツイートによる宣伝はもちろん大切な手法です。ですが、ただツイートするだけではなく後述の他の戦略と組み合わせて効果的にツイートを行う必要があります。
NG例2. DM(直接メッセージ)や直接リプライによる宣伝
他の方の記事で、不特定多数のコレクターのアカウントに直接DMを送ったりリプライを送って気を引こう、とお勧めしている内容のものがありました。これは効果があまりないどころか、逆効果なので絶対にやめましょう。
急に知らない人から話しかけられたら普通は失礼だと感じますよね。ましてやDMを送ったとなると、スパムとして通報されてもおかしくありません。また、Twitterには「シャドウバン」という、特定の行動を繰り返し行っているアカウントを自動的に迷惑行為と見なし、他のユーザーからツイートが見えない状態にするシステムが備わっています。
コレクターにリプライを送った場合最初のうちは「Nice!」等の親切な返事がもらえるかもしれません。ですが、これを繰り返していくうちにある時から全く返事がもらえなくなるはずです。これは、シャドウバンが有効化され、あなたのリプライが相手方に表示されなくなったから、だと考えてください。
NG例3. #NFTCommunity等のハッシュタグの乱用
いくつかのNFTハッシュタグを使用することで、確かに多少エンゲージメント(ツイートを見てくれた人の数)は伸びます。ですが、正直大きな効果は期待できません。#NFTCommunity等のハッシュタグを頻繁に使用しているユーザーの多く、同じく宣伝目的のアーティストか、そのアーティストを釣ろうと必死に動いている怪しいビジネスばかりです。
加えて、あまりに乱用するとこれもシャドウバンの対象となります。Twitterではいわゆる「検索汚し」を規制するために、同じハッシュタグを使用したツイートを短期間に何度も投稿しているアカウントに対してシャドウバンが有効化される仕組みがあります。
NG例4. Shill Your Artツイートに対してリプライをする
🎉 Ready?! It's SHILL YOURSELF Saturday! 🥳
— MojoHeads NFT〡SOLD OUT! ✨ (@mojoheadsnft) 2022年2月12日
For the next 24hrs link your BEST @opensea OR @withFND art up to .15ETH. We'll randomly pick 3 NFTs to buy from this thread on Monday!
✅Direct link your art
✅Follow @MojoHeadsNFT
✅Retweet this post pic.twitter.com/GLaiexp2OA
先ほどの話と重複しますが、「Shill your art」「Show your works」「Drop your NFT」等として作品宣伝を募っているツイートに対してリプライをするのもあまり意味がありません。すべてではありませんが、これらのアカウントはフォロワー稼ぎやリツイート稼ぎをしたいがために、買う気が無いのにこのようなツイートをしている可能性が非常に高いからです。
どうしても気になる場合は、ツイート主のコレクションや購入履歴を確認してからリプライをすることをお勧めします。
ちなみに、こちらもリプライをしすぎるとシャドウバンされます。
効果が期待できる宣伝の仕方
ではどうすれば効果的に自分のNFTを宣伝することができるのか。一つずつ見ていきましょう。
1. 魅力的なポートフォリオを作成する
宣伝方法、というよりは宣伝の下準備ですね。自分自身の作品やストーリー、経歴などを視覚的に魅力的なデザインでまとめたポートフォリオサイトを作成することをお勧めします。
NFTを購入する人の多くは、将来的な価値上昇を期待した投資家たちです。インスタグラムに作品を投稿しただけのアカウントよりも、自分自身のウェブサイトを持ってしっかりと作品紹介を行っているアカウントの方が、よりプロフェッショナルで将来的な期待も感じさせられるのではないでしょうか。
2. AirdropでNFTを無料配布する
🚨IC8 NFT & (WL) Airdrop🚨
— NAF (NFT/Crypto promoter) (@NafterG) 2022年2月13日
1⃣ ❤️+RT 3 friends
2⃣ Follow: @IC8SpaceStation, @NafterG
3⃣ Join : https://t.co/u0RTphYZhr
⏰ 24h
* P2E Gaming PRJ on #ICP with many rewards
(e.g. earn more NFTs & tokens on #Metavers🚀)#NFT #NFTs #NFTCommunity #NFTGiveaway #NFTart pic.twitter.com/6tDvd0xUn2
いわゆる「ギブアウェイ」を活用しましょう。たとえあなたが無名なクリエイターだったとしても、「タダでなら作品が欲しい」というコレクターはたくさんいます。そういった方々に向けて、ツイッターでAirdrop(NFTの無料配布)を行うことで、フォロワーを増やせたり、自分の知名度やブランド力を高めることにつながります。
Airdropを行う際は、自分のアカウントのフォローや、ツイート(乃至、固定ツイート)のリツイートなどを条件とすることをお勧めします。どのように企画を打てば、なるべく多くのコレクターにリーチするか、を常に意識しましょう。
3. 「Shill Your Art」ツイートを自ら投稿する
先ほど、「Shill Your Art」ツイートにリプライを送っても意味が無い、と述べた手前ダブスタを疑われる話かもしれませんが、逆に自ら「Shill Your Art」ツイートを投稿することには、効果がある程度見込まれると思います。
理由は既に述べたように、その投稿によりフォロワーが増えたり、自分の固定ツイートがリツイートされたりして、自分の作品がより多くの人の眼に触れる可能性が高まる可能性があるからです。これを適度に繰り返すことで、徐々にフォロワー数を増やし、(あくまで見せかけかもしれませんが)ブランド力を高めることができます。
ただ、絶対にうそをつくのはやめましょう。「Shill Your Art!気に入った作品を買うよ」等と気前の良いツイートをすると、おそらくたくさんのクリエイターが反応してくれるでしょう。ですが、その後本当に作品を買わなかった場合は、反感を買うこと間違いなしです。
そのため、実行するつもりが無い宣言はしないことをお勧めします。「Shill your art, I will retweet some works (いくつかの作品をリツイートしますよ)」程度の内容にとどめておきましょう。
4. オンライン、オフライン展示会へ参加する
オンライン、オフライン問わず、展示会に参加することも非常に効果的です。ここ最近だと「Adam byGMO NFT Art Gallery」やGASHO 2.0によるNFT展示会など話題のオフラインイベントがいくつかありましたね。ハードルは高いものの、このような展示会にアーティストとして参加することで、話題を得ることができる可能性が高まります。
オンライン(バーチャル)展示会は比較的ハードルが低く、誰でも参加申し込みができるイベントが多いです。また、物理的制約が無い分、世界中のコレクターの目に留まるというメリットもあります。
有名なものだと、NFTXによるバーチャル展示会などが無料で利用でき、初心者にも敷居が低くお勧めです。
5. 人気キュレーター、インフルエンサーにアプローチする
お勧めではない宣伝方法として、むやみにコレクターにリプライやDMを送ること、を挙げましたが、ビジネスとして宣伝を行っているキュレーターなどに直接宣伝依頼を行うことは良い手法だと思います。
やはり個人が自分の作品を拡散しようとしても限界があります。影響力のあるキュレーターの力を借りるというのは一つの戦略的選択肢として考えておいても良いと思います(ちなみに、私の知っている限りでも、国内のとある有名アーティストが実際にキュレーターを雇って宣伝活動を行っています)。
ただ、ツイッター上には自称キュレーター、プロモーターを名乗る怪しいアカウントがたくさんいます。アカウントのフォロワー数や、ツイートへのエンゲージメントの数をしっかり確認して、本当に信用に値するアカウントかどうか見極めるようにしましょう。
6. Discord、FacebookグループやLineオープンチャット内での宣伝
NFTコミュニティ用に作られたDiscordサーバーやFacebookグループ、Lineオープンチャット内で自分の作品を宣伝する、という手法も意外と効果的です。直接的な宣伝効果以外に、アートを紹介することで他のクリエイターとの交流が生まれたり、アドバイスをもらえたり、お互いの作品を拡散しあえたり、と間接的な効果が大いに期待できます。
とはいえ、グループ内で宣伝をしたらすぐに買い手が見つかる、という訳ではありません。これらのグループ内では傾向としてどうしてもコレクターよりクリエイターの数が多くなってしまいますし、グループによってはは自分勝手な宣伝行為は禁止とされている場合もあります。あくまでルールを守った上で宣伝・紹介を行いましょう。
私が運営しているLineオープンチャットでは、交流などの活性化を目的に、作品の紹介は自由とさせていただいておりますので、宜しければご参加ください!
いかがでしたでしょうか?
ざっと、効果的なNFTの宣伝方法について紹介しました。他にも、「こんな方法で買い手が見つかったよ!」など、ここに載っていない方法をご存知の方がいましたら、ぜひコメント欄でシェアしてください!