NFTを始めたばかりの初心者が驚くことの一つに、出品手数料(ガス代/Gas Fee)の高額さがあると思います。マーケットプレイスやタイミングによっては、ガス代が数万円掛かってしまうことも。。
これではせっかくNFTが売れても、手元にはほとんど利益が残らないですよね。
本記事では、そんな悲劇をなるべく回避するために、どうすればガス代を最小化することができるか、節約術を紹介していきたいと思います!
- ガス代節約のためにまず理解すべきこと
- 前提1:ガス代はタイミングによって異なる
- 前提2:ガス代はマーケットプレイスによって異なる
- 様々なガス代節約方法
- 逆に損をする可能性も...NG行為
- いかがでしたでしょうか?
- LINEオープンチャットの新設のお知らせ
ガス代節約のためにまず理解すべきこと
ガス代を節約するためには、まずはガス代がどういうメカニズムで決定されているか、ということをしっかりと理解する必要があります。
前提1:ガス代はタイミングによって異なる
実は、NFTの出品に掛かる手数料(ガス代)はタイミングにより大きく異なり、また一日の中でも数倍に振れることが多々あります。
ガス代は「Gas Price」という、その時その時のガス単価と、「Gas Usage」というガスの使用量を掛けることによって計算されるのですが、この「Gas Price」が一日の間に大きく大小することが原因です。
これは、主にイーサリアムネットワークを使用している人口や取引量が多いときにはブロックチェーン承認のために支払われる報酬が多くなり、そうでないときは少なくなることで、変化しています。
ちなみに、「Gas Usage」はブロックチェーン承認に要した作業量のようなものです。仮想通貨の送付と比べて、NFTのミンティングはこの作業量が多くなるため、ガス代が高額になる、ということです。
ちなみにこれらを計算式に直すと、「ガス代 = Gas Price × Gas Usage」となります。
前提2:ガス代はマーケットプレイスによって異なる
ガス代は、実は出品をするマーケットプレイスによっても大きく変わります。なぜかというと、マーケットプレイスによって採用しているブロックチェーンや、承認方式などが大きく異なるからです。
例えば、FoundationやZora等の一般的なイーサリアムブロックチェーンを使用したマーケットプレイスでは、合計で支払うガス代は高額になる傾向があります。これは、NFTの出品作業が「ミンティング」「リスティング」の2回に分かれており、それぞれに対してガス代を支払う必要があるからです。
2021年11月現在では、1作品あたりおよそ3~4万円ほどで見ておくとよいでしょう。
対して、Openseaは独自のシステム(Lazy Minting)を採用しており、初回の出品時にだけ高額なガス代が掛かるプランとなっています。
その他にも、HicetnuncやObjkt.comはテゾスブロックチェーンを使用したマーケットプレイスで、作品1つあたりおよそ100円程度のガス代で済みます。これは、テゾスブロックチェーンで掛かるガス代がイーサリアムブロックチェーンと比較して非常に安価だからです。
ならば、これらの安価なマーケットプレイスばかりを使用すればいいのではないか、と考えてしまうかもしれませんが、現時点では高額なガス代が発生するマーケットプレイス上のNFTばかりがコレクターに注目されており、作品をしっかり売っていきたい場合はそれなりにガス代をしっかり払わなければいけなくなってしまう、というのが実情です。
様々なガス代節約方法
さて、ではガス代を極力抑えるためにはどうすれば良いでしょうか?
具体的な節約術を一挙公開します!
節約術1:出品時間帯を調整する
まず一番手っ取り早いのは、出品時間帯を調整する、という方法です。
先述の通り、ガス代は主にイーサリアムネットワークを使用している人口や取引量が多いときにはブロックチェーン承認のために支払われる報酬が多くなり、そうでないときは少なくなることで、変化しています。そのため、世界的に見てなるべくマーケットが活発でない時間帯を狙って出品をすれば、比較的安価な出品手数料で済む、という寸法です。
仮想通貨市場の活発度は証券などと同じく、欧州時間や北米時間で活発化し、アジア時間では沈静化する傾向があります。
個人的には、日本時間で大体午後~夕方にかけての時間帯がチャンスだと見ています。欧州の人たちが目覚めたばかり、北米の人たちがこれから床に就くぞという言う時間帯ですね。
節約術2:曜日を調整する
時間帯と同じく、曜日を調整する事でもガス代を節約することができます。証券ほど極端ではありませんが、やはり傾向として土日は市場が比較的に穏やかになります。そのため、スケジュールに余裕がある場合はなるべく週末まで出品を我慢してみるのも有効でしょう。
節約術3:イーサリアムの安定/上昇トレンドを狙う
これらの時間帯・曜日の調整によるガス代節約は、たまに当てが大きく外れてしまうことがあります。その大きな要因の一つが、イーサリアムの価値上昇/下落、といったトレンドです。
よく考えると頷ける話ですが、イーサリアムの取引が最も活性化するのは、イーサリアムの価値に大きな変動があったときです。イーサリアムの価値が急落していると、世界中のトレーダーが早朝深夜を問わずイーサリアムの売却を急ぎますよね。そうなると、取引量が世界的に増え、必然的にガス代も高くなってしまうのです。
一方、イーサリアムの価値が安定しているときは、比較的取引を急ぐ必要性がなくなるので、市場が穏やかで、よってガス代も低くなる傾向にあります。
イーサリアムの価値が上昇している場合も、急騰とはいえない程度の程よいペースであれば比較的ガス代は低い傾向にあります。
節約術4:ハードフォーク後のタイミングを狙う
イーサリアムは、度々ハードフォークと呼ばれる技術アップデートが行われることで、次第に便利なツールとしての機能を充実させていっています。最近では2021年8月に実施された「London Hard Fork」が記憶に新しいかと思いますが、このタイミングではイーサリアムの承認方式に変更があり、ガス代が高騰しすぎないような工夫が盛り込まれました。
このような過去から、ハードフォークを経た後はガス代が下がる可能性があると考えることができます。
ちなみに、次回のハードフォークは2021年12月8日に予定されています。なので、ねらい目はこの直後の週末辺りかもしれませんね。
節約術5:最適な仮想通貨取引サービスを選択する
NFTミンティング時に掛かるガス代とともに、もう一つ重要なのがイーサリアム交換・送付時に掛かるガス代。コインチェックなどの販売所を使用してイーサリアムを購入する場合、ガス代を含む「手数料」が発生してしまいます。
この手数料をなるべく0に近づけるためには、NFTアーティスト向けの最適な取引サービスを選択することが必要になります。詳しくはこちらの記事で記載しておりますので、是非ご参考にしてみてください!
節約術6:プロに依頼する
色々とタイミング調整によるガス代節約方法を紹介しましたが、結局その道のプロに依頼をして代わりに出品をしてもらう、というのが一番手間もリスクも少なくて良い気がしています。そんな時に役立つのが、丸投げ依頼ができるNFT出品代行サービスです。
事前に日本円でサービス料を一括で支払えば、あとは放置でOKなので、手間や心労を掛けることなく自分のNFT制作に集中できるというのがありがたいですね。ちなみに過去にレビュー記事を執筆しているので、気になる方は確認してみてください。
逆に損をする可能性も...NG行為
ここまで、NFT出品に掛かる手数料(ガス代)を節約するためのコツを紹介してきましたが、ついでにNG行為も紹介します。これらの方法を応用しようとすると、かえって損をしたり、無駄な手間になってしまうこともあります。NFTに慣れてきた方は特に要注意!
NG術1:Gas Limitを設定する
NFT出品を行う際にはイーサリアム決済のため、MetaMask等の仮想通貨ウォレットのポップアップ画面が表示されるようなシステムになっていますが、Gas Limit(ガスリミット)の値を変更するのは要注意です。
こちらは、「これ以上のGas Usageになった場合は取引を強制終了する」というリミットのため、もともとの規定数値から変更することで、出品作業が台無しになってしまう可能性があるというわけです。
Gas Limitの値を低くすると、一件掛かるガス代が少なく済むかのように合計価格が低く表示されますが、指定したGas Limitを超えるGas Usageが発生した場合は、最悪の場合数万円払ってトランザクションを行ったのに、結局出品失敗に終わってしまった!なんてケースにもつながります。
NG術2:Gas Priceを極端に低く設定する
Gas Limitとともに手動設定可能なGas Price。こちらは多少規定より下げることで、Gas Priceの相場が下がったタイミングで出品を行う予約をするような、いわば「指値」の設定のような使い方ができますが、慣れないうちは変更しないのが吉です。
例えば、適正Gas Priceが80~150前後で推移している状況で、Gas Priceを40と指定して出品してしまった場合、出品が完了するのはもしかすると数か月後の話になってしまうかもしれません。
Gas Priceの相場はイーサスキャン(https://etherscan.io/gastracker)等でリアルタイムで確認ができます。どうしてもGas Priceを低くしたい場合は、リアルタイムで確認をしながら、ほどほどに設定することをお勧めします。
ちなみに、2021年11月現在ではGas Priceは「Max Priority Fee」と「Max Fee」の2項目に分かれて設定ができるような仕様になっています。いずれも極端に相場より低くならないよう、ご注意ください。
NG術3:出品ファイルサイズを圧縮する
よく噂として見かけるのが、「ファイルサイズが大きいほどガス代が多く必要になる」という風説です。これを信じて、出品ファイルサイズを本来の高精細のものから圧縮して極力小さくしようと励まれている方を見かけますが、残念ながら真っ赤なウソです。
実際に試しに出品してみたらわかりますが、ファイルサイズを変えてもガス代は変わりません。1KBのピクセルアートでも、100MBの動画ファイルでも、ガス代は同じです。
この噂を信じて、本来のアートのクオリティを損ねる低品質なファイルを出品しないよう、くれぐれもお気を付けください。
いかがでしたでしょうか?
ざっと、ガス代を節約するための方法論について解説いたしましたが、本記事で紹介した以外にもまだまだ方法があるかと思います!
他にも有効な手段をお持ちの方は、ぜひコメント欄でシェアください!また、噂レベルの話や、疑問に思っていることなども、コメントでディスカッションできればと思っておりますので、皆様ご遠慮なくコメントください!
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