インターネット上の書き込みやSNSでのつぶやきを見ていると、よく見かける「NFTって怪しい/胡散臭いのではないか」という疑問。本記事では、まことしやかに囁かれている「NFTが怪しい」という噂について、果たして本当に怪しいのかどうか、公平な立場で解説をしていきたいと思います。
NFTそのものは怪しくないが、NFTに関連した犯罪はたくさん
はっきり言ってしまいましょう!NFTそのものは、全くもって怪しくありません!使い方をしっかり守り、安全意識をもって販売・購入を行っていれば、決して怪しい被害にあうことはありません。ですが、NFTに関連した怪しい商材や詐欺などが多く、NFT関連での被害が多発していることも事実です。
この関係性は、例えるならばクレジットカードみたいなものですね。クレジットカード自体は怪しくないけど、クレジットカードに関連した詐欺が多く、そのため一部の人はクレジットカードの発行・使用を敬遠しています。このような、商品・技術に関連した犯罪が横行することで、その商品そのものの評判を傷つけてしまうというケースは、程度の差こそあるものの、NFT、仮想通貨、クレジットカード等に限らず、全てのものに共通して言えるでしょう。
NFTが怪しいと噂される理由
では、実際になぜNFTが怪しいと言われがちなのか、一つ一つ理由を見ていきましょう。全て目を通していただくことで、NFTに対する理解が深まれば幸いです。
1. NFT関連の詐欺・悪徳ビジネスが横行している
NFTが怪しいと思われている一番大きな理由はおそらくNFT関連の詐欺でしょう。NFTは新しい技術を使用しているため、一般的に利用者のセキュリティ意識がまだあまり高くなく、そのスキをついた詐欺犯罪が横行しています。NFT技術そのもののセキュリティレベルは非常に高く、第三者がデータを勝手に改ざんできないようになっているので、その点については安心しても問題ありません。どちらかというと、「まだ馴染めていない新技術に、利用者自身が順応できていない」ことによる被害と言えるでしょう。
過去に、NFT関連のよくある詐欺手口について記事を書いておりますので、ご一読いただき今一度セキュリティ意識をアップデートしてください。
2. NFTに関した誇張広告・宣伝が多い
NFTが胡散臭い、胡散臭そうと言われている原因としては、NFTに関する誇張広告・宣伝が挙げられます。実際にNFT関連ブログ、サービスなどで、どんなNFTでも売れると誤解を招くような表現がされているのを多々見かけます。また、NFTに関連したマルチ商法や、情報商材の販売、セミナーの勧誘なども溢れているようで、これらがうさんくささに拍車をかけている可能性があります。
他にも、テレビなどで「自分のセルフィー写真に数百万円の金額がついた」「こどもの落書きが数百万円で売れた」などの特異なケースばかりが取り上げられたために、それを見た視聴者の中に「どんな作品でも高値で売ることができる」という偏った刷り込みが生まれてしまったという背景もあるでしょう。
残念ながら、NFTは出品しても全てが売れるとは限りません。その上、出品時にはガス代というブロックチェーン使用料が発生するため、「費用ばっかり掛かって全然作品が売れない!聞いてた話と違うからNFTはうさんくさい!」という感情が沸いてしまう気持ちもわからなくはありませんね。
作品の質はもちろん、タイミング、宣伝の仕方、人脈、話題性、強運、など多くの要素が絡むことで、NFTの売れ行きが決まってきます。そのため、NFTに対して事実と異なるイメージを抱いてしまわないよう、良い面・悪い面、の両方をしっかり比較することをお勧めします。
そして、何もわからないまま高額な情報商材を購入したりセミナー料を払ったりする前に、まずは無料ブログなどで情報をかき集めてみましょう(当NFTアート塾ブログも、NFT初心者向けに完全無料で幅広い情報提供をしておりますので、是非ご活用ください!)
3. 仮想通貨に関する悪いイメージが先行している
仮想通貨に馴染みがない方だと、そもそも仮想通貨自体が怪しいからNFTも怪しい、というイメージが膨らんでいる場合もあります。仮想通貨は急に価値が半減したりすることもあるリスク資産であることは事実で、またこれまでは匿名性を悪用してマネーロンダリングや違法商品の取引等の犯罪目的に使用されることも多くありました(2022年予4月より、新法律であるトラベルルール適用によって改善される可能性があります《別記事》)。
そのため、仮想通貨を持つこと自体が危険だと感じ、NFTを作る・売る以前の問題としてそれ仮想通貨購入から先に進めないというケースも多いかと思います。確かに仮想通貨がリスク資産であることは事実で、筆者自身、過去数分のうちに数万円分もの仮想通貨建て資産がなくなってしまったこともありました。
とはいえ、NFTをいくつか作成・販売する程度の小規模な取引であれば仮想通貨価値変動によるリスクは少額にとどまりますし、また最近は仮想通貨を使用しなくてもNFTが出品できる代行サービスも増えています。どうしても仮想通貨に対する苦手意識がぬぐえない方はそのようなサービスを利用してみるのも良いでしょう。
4. ブロックチェーン技術そのものに対する不信感が高い
他にもよくある不安として、ブロックチェーン技術に対する不信感も挙げられると思います。典型的な例だと、「ブロックチェーンによって権利が保障されるとは言っても、ブロックチェーンそのものがハッキングされたら何もかも終わりじゃん!」という不信感ですね。
ブロックチェーンの信用創造技術について詳しく説明しようと思うと技術的な説明、およびマクロ経済的な説明をしなければならなくなってしまうのでここでは割愛させていただきますが、ブロックチェーンそのものがハッキングされたり、ブロックチェーン上のデータを改ざんされたりして、ブロックチェーンが機能しなくなる可能性は、基本的にありません(100%無いと断言できないのは、なぜなら例えば世界中のありとあらゆる電子機器が一瞬にして木っ端みじんになってしまった場合などでは、事実上ブロックチェーンが機能しなくなってしまうからです。とは言え、このような究極的な事態が起こった場合、生活そのものも危ぶまれている天変地異的な状況ですので、さすがにNFTの事を気にしている場合ではないですね)。
5. 馴染みがない技術のため、リスクが高く感じる
先述の詐欺被害の話と近いですが、馴染みがない技術のため、何が安全で何が危ないのかあまり分かっておらず、危険な行動をとってしまいがち、という理由も大きいかと思います。むしろ、そのような馴染みのない技術に対して慎重になることは、本来全てのNFTアーティストに求められるべき姿勢です。
何事も、慣れたころが一番危険です。NFTの売買をこれから始める、という方はもちろん、既に活動をされている方も、常に危険意識を持ってリスクを考慮しながら活動しましょう。例えばパスワードの複雑化や、アンチウイルスソフトウェアの導入など、NFTに限らずインターネットを使用する上で一般的に推奨されるセキュリティ対策を取っていない方は、まずは急いで見直しましょう。
6. 旧来のアナログ至上主義的価値観を脱却できていない
旧来のアナログ至上主義的価値観を脱却できず、新しいデジタルテクノロジーに対して何となく嫌悪感を抱いてしまうパターンも多いかと思います。「最近の若い者は...」的な思考ですね。気持ちは非常にわかります。
確かに、現在の一般的な感覚だと、物理的存在であるアナログアート(絵画や彫刻、絵葉書など)と比べて、物理的実態を持たないデジタルアートに、果たして本当に価値があるのかどうか、懐疑的になってしまいますよね。でも、よく考えてみましょう。
NFTに限らず、私たちはこれまでも「アナログ⇒デジタル」の流れをとってきました。昔はアナログレコードやCDで買って聞いていた音楽も、いつしかデジタルストリーミングで誰もが消費する時代になりました。本も、今ではKindleなどの電子書籍を使用している方が多いですよね。現金払いしかなかった時代に、バーコード決済なんて考えられませんでした。
同様に、NFTについてもまだまだ従来的な価値観では理解されない状況が続くかと思いますが、いずれは人々の価値観もアップデートされ、受けられていくことになると思います。決めつけで判断せず、思い切ってNFTの海へ飛び込んでみるのも手かもしれませんね。
7. 一部ユーザーによるネガティブキャンペーン
噂は広める人がいる方から広まるのだ、ということも一理あると言えるでしょう。これまで述べてきたリスクを十分に理解しないままNFTに手を出して後悔したがために、NFTに関する悪いうわさを吹聴しているというパターンですね。
またSNS上で、NFTの出現により自分自身の既得権利が脅かされるような権利者(ブロガー、アーティスト)により、NFTに対する悪い噂が発信されている例も見かけました。これはある種、古い会社員が、加齢とともにデジタル移行の流れに馴染めず淘汰されることを恐れ、電子メールを導入せず未だに職場でファックスの使用を強要する話に近いものを感じますね。
時代は変わるべき形で変わっていきます。一部のネガティブキャンペーンに惑わされず、自分自身が考える未来に対応していくために、NFTアートを始めることはきっと良い経験となることでしょう。
いかがでしたでしょうか?
本記事では、NFTが怪しい・胡散臭いと噂される理由について述べてきました。NFTそのものは決して怪しいものではなく、付き合い方によって良くも悪くも左右します。NFTをうまく活用できるよう、ぜひ情報収集をしながら制作活動に取り組んでみてください!
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